風雲ぬかづけ録3 知られざる「雪室ぬか」編
前のエントリはこちら。
「ぬか漬け」としてカテゴリも作ってあるので、よろしければ合わせてご覧あれ。
さて、ぬか漬け概念が当家に導入され、イカス容器も仕入れ、しかしぬか床の培養には失敗してから約一年が経過した。
そんな折、たぬきは天下御免のオサレスポット表参道に足を運んでいた。
たぬきは持病の都合で、表参道の某病院に定期的に通っているのである。
予約制でもないので、待ち時間だのなんだので数時間を、表参道というオサレの街で潰さなくてはならない。毎年一度の通院の日、たぬきは表参道をはいk…散策したり、カフェでまったり過ごしたりする、らしいぞ(文章を書いているのはくまですので実際はわかりかねます)。
しかしカフェだの散策だので何時間も潰すことはできない。そんな折たぬきは、表参道の新潟物産館、ネスパスへ赴く。夕飯のおかずを増やしたり、物産(酒やツマミ)を見たりする。
「病院にかかった」ついでに物産店へ行って酒とツマミを買ってくるたぬき。言うまでもなくたいへんな飲兵衛である。
閑話休題、あるときたぬきはいつもの通院でいつものようにネスパスへ趣き、そして運命の出会いを果たした。我が家のぬか復活のきっかけ、希望の嚆矢「雪室 ぬか」であった。
定価は1600円。しかしこの時はたまたま売れ残り、半額の800円まで落ちていた。
既にいい具合に醸され、漬けるだけの状態のぬか床。こいつなら、いい具合のぬか床菌を培養して増やし、お家ぬか床を復活させることができるのでは!?
「捨て漬けをしてぬか床をこしらえる」という初心者がつまずきがちな部分を市販のうまいぬか床、しかも信頼できる米どころのぬか床で置き換えてしまえば、当家でも美味しいぬか床をつくれるのでは!?
(実際、この頃無印良品からぬか床が発売されて大いにバズり、当家でも興味があったのだが、品薄で手に入れる事ができなかった)
たぬきはそういきり立ち、一も二もなく「雪室 ぬか」をひっつかんでレジへ駆けた。当家のぬか漬け、新シーズン開始の号砲が鳴った瞬間であった。
くまはぬか床の再開には大変懐疑的であったが(なんせスッポリとぬか床のことを忘れて1年過ごしたたぬきと違い、くまは1年「この失敗ぬか床どうすんだ」と思いながら1年過ごしているので)、たぬきはめげずに、例の野田琺瑯のタッパーに「雪室 ぬか」を撒いて、カブをうずめた。
そして翌日、浸かったカブはお店屋さんのような素敵クオリティに仕上がっていた。
やっぱ、シロートがゼロからぬか漬けスタートとかやるもんじゃないですわ、というのと、お高い、美味しいぬか床はやっぱりすげーわ、というのと(調味料としてそのまま食えそうな美味しいぬか床だった)で、当家ふたりは大いにテンションを上げた。
ぬか床の正解って、これか。
そう理解した当家は、この「雪室 ぬか」を種菌として、去年の残りのいりぬかを足して継ぎ足していくことに決めたのだったーーといったところで、今回はこれまで。
ぬか漬けに関するあれやこれやはまだまだ続く。
現在に至るもぬか床は継ぎ足しされており、水っけが多かったり少なかったりいろいろあるけど元気に美味しく浸かっておりますよ。