たぬきとくまの台所

平成生まれのアラサーのたぬきとくまの夫婦の台所

夏と秋のあわいに、絶品つまみ。

 もう夏も終わる。しかし夏が去ると同時に夏野菜が根こそぎ市場から消えていくわけではない。そして今は鮭のはしりである。いい感じに筋子が出回りだした頃合いだ。

 そんな今だからこそできる映え映えなグルメを先日見出したので、ぜひシェアしたいと思う。

 

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 タイトルの通り、「山形のだし」に「醤油イクラ」を混ぜ込んだシロモノである。小鉢にしてよし、豆腐に絡めてよし、御飯のお供によし、そして当然お酒とだって戦える、汎用性最強クラスの一品だ。

 まぁそれなりに手間はかかるんだけれど、その分たいそう美味しいので、ぜひやってみてくださいね。

 

山形のだしをつくる。

 

 まず、ご存知でしょうか山形のだし

 地元では全然知らない文化で、大学に行くってんで上京して、スーパーにいって、その時初めて知った漬物(?)の文化だ。夏野菜を刻み、ちょっと塩とか醤油とかで味をつけて、あとお好みに応じて昆布でとろみをつけたりするあれですね。山形では単純に「だし」と呼称されているが、いわゆる「だし汁」との差別化のために「山形のだし」と呼称されているらしい。なお「山形のだし」は某社の登録商標だそうだ。

 

 閑話休題、こいつをぜひ自宅で作ってみていただきたい。

 この度「だし」を自作して理解したのだが、こいつは自作するほうが圧倒的に「かゆいところに手が届く」。野菜類を細かーーーく刻んで昆布のとろみでスルスル飲むようにたべられるレシピにするもよし、敢えて荒く刻み昆布も入れないでザクザク食べるお漬物感覚で仕上げるもよし。要するに刻んだ夏野菜のお漬物であって、とろみや味付け、具材というのは枝葉末節の副次的なマターであると理解した。

 

 代表的な具材としてはキュウリとナスだろうか。そろそろキュウリは高くなってくる時期なので、秋ナスを主体に、キュウリは少なめで、あとこれも終わりかけだけどミョウガちょっとと、紫蘇の実を多少入れたりしてもいいかもしれないね。オクラが入ってもいい。あと昆布を入れたり、めんつゆや塩で味をつけたりする。以下の具合である。

 

・夏野菜 向こう3日で食べ切れるくらい

・茗荷 あれば

・昆布 お好みで

・塩 塩もみ用。塩味が良ければ味付けにも。

・めんつゆ お好みで。

 

 なんかこれ上の表なくても全然困らない感じですね。とろみのある感じに仕上げたければ、がごめ昆布みたいなヌルヌルの強いやつがいいですよ。

 

(昆布刻むの、面倒だったので、我が家もこれが欲しい)

 

このあたりはもう本当好きにしてほしい。山形のだしらしきものが仕上がればいいのである。

 

 今回のエントリの料理は、本当夏と秋の間にあるツクツクボウシの残響というか、奇跡的な季節の重なりにわずかだけ楽しめる皆既日食めいた料理であるので、そのへんの「ソレ別に旬の盛りじゃないんだよなぁ」っていうご意見は飲み込んでください。

 

 

筋子をほぐして漬ける

 

 山形のだしができたら、つぎは筋子の支度だ。

 この時期、たぶん「お家で醤油漬けにするんですよ」みたいなノリで、醤油漬けのタレとセットになった筋子が売っていると思う。それなりにお値段は張るのだが、イクラの状態までバラされた醤油漬けの状態で買ってくると更にお高いので、ここはひとつ話の種にとおもって、お家イクラに挑戦してみませんか。

 

 

 

 詳しい工程は、よほど写真つきでわかりやすいサイトがなんぼでもあるので、そっちをググっていただきたい。とにかく肝心なのは「筋子をほぐしてイクラにするのは難しくないよ」ということである。

 めんどくさいというご指摘は全くそのとおりであるので、「ウチは醤油漬けを買って済ませるぜ!」という手が使えるならそうしてしまってください。

 

 とにかく卵巣からたまごを引き出し、よく研いでキレイにし、煮切った酒と味醂を主軸とする醤油ダレに浸すこと半日から一晩でお家イクラになる。なります。なりました。ここまででようやく、下ごしらえが終了だ。

 

◆まぜる。

 

 さて、ここまでにより、山形のだしイクラ醤油漬けが揃ったとする。

 あとは適量同士を清潔な匙で掬い、任意の容器で軽く混ぜてください。それだけです。矢でも鉄砲でももってこいな感じの最強おかず兼おつまみの爆誕です。

 

 山形のだし、という製品は別に一年中売っているし、イクラ醤油漬けだって年中売っている商品だ。それらを混ぜて食べるのだって、別段わるくないとは思う。

 とはいえ、今このタイミングなら、旬が終わろうとしている夏野菜で作った滋味ある「だし」と、旬が始まっていい具合の「いくら」の両方をいい感じで楽しむことができる。

 もし興味があれば、この機会を逃さずにチャレンジしてみていただきたい。