「おだし塩」なる食いしん坊ホイホイについて
魅力的に”見える”んだけど、実際使うとなると困るアイテム、というのは台所用品や文具においてしばしば見られる、ようにくまは思う。
~~塩、なんてその極みだ。抹茶塩とかカレー塩とか、お店で小瓶に入っているのを見るととても魅力的に見えるのだけれど、じゃ実際それを買って使い切るほど天ぷらとか食べるんですか、って話だ。
あの手の塩というのは、多くの場合それ単体でなんにでも使えるといったことはなくて――いや販売側はあれにもこれにも使えると考えているかもしれないのだけれど、こちらがわにそれを汲み取るだけの知識技能がなくて、なんとなし死蔵されがちであるかのように思われる。で、だいたい湿気てカチカチに固まって使いづらくなって捨てるのだ。
しかし、そんなちょっとびみょうな奴らばかりが、フレーバー塩ではない。
もっと便利で、使いでがあって、そいつが備わっているとご飯情勢が激変するようなプレーヤーを、当家は先日捕まえた。
愛媛県に居を構える「はぎの食品」。こちらの人気アイテム「だし塩」シリーズのひとつ、「鯛塩」である。
「国内産の真鯛を使用することにより、味わい深い和風料理によく合うだし塩に仕上げました。
炊き込みご飯、茶碗蒸し、天ぷら塩、お吸い物など様々な料理にお使いいただけます」
とは、製品パッケージ裏側の能書きだ。つまるところよーするに、塩加減がいい具合の鯛出汁がたちどころにつくれちゃうお塩なのである。
ひとつ、つい今朝編み出した手抜き料理をご紹介しよう。
「鯛の天茶」である。
ご飯をもり、市販の揚げ玉を散らし、鯛塩をティースプーン一杯ふって、お湯をぶっかけるだけだ。それで芳しい鯛出汁のお茶漬けができてしまうんだからもう驚きだ。
また、この調味料はご飯だの天ぷらだとのいった男子が好きなやつの相手ばかりではなくて、青菜の和え物を鯛出汁味にしたり、といったこともできて大変良い。
正価では180グラム600円となかなかするアイテムだけれど、それだけのバリューは間違いなくあるので、懐に余裕のある方は、是非一度でいいので、試してみていただきたい。
そしてこの「おだし塩」シリーズ、他のラインナップがくっそやべえのである。
・雲丹万能調味塩
・のどぐろだし塩
・鰹だし塩
・昆布だし塩
・牡蠣だし塩
・伊勢えびだし塩
・しじみだし塩
・甘海老だし塩
・あごだし塩
とまぁ、このような塩梅である。
殺す気か? 世間に並み居る食いしん坊を。
あまりに殺意が高すぎる(褒めてる)ラインナップだと思いませんか、あなた?
当家がたまたま真鯛塩と行き合った近所のスーパーでは、真鯛以外は置いていなかったので買えなかったのだけれど、いずれもあまりに強力なプレーヤーではないか。
伊勢海老だしが香る青菜の煮浸しとか、甘海老の天茶とか、また秒でできるしじみのお吸い物とか、もう全体的に条約で禁じられるレベルのアレでは? という思いが大変強くある。
おうちごはんがお手軽にワンランク強くなる「おだし塩」、おすすめですぞ!
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