たぬきとくまの台所

平成生まれのアラサーのたぬきとくまの夫婦の台所

うまいぞ、すだちあゆ

 気がつけばもう晩夏である。立秋はもうすぎてしまったので、暦の上ではもう秋だというのが信じがたい。しかし2週間もすれば9月になってしまう。

 このことは、当家にとってちょっとした事件である。

 鮎の時期が、終わるのだ。

 

 もうこんな時期になってしまったけれども、せめてまだ食えるうちに鮎の話をしなくてはと思い、慌ててブログを書いている。

「こういう記事は旬の走りに出せよ!」というのはまったくおっしゃるとおりであるけれど、しかしかといって1年寝かして来年の初夏に、なんて悠長なことを言っていたら絶対忘れてしまうので、どうかご勘弁いただきたい。

 

 鮎、お好きですか。

 スーパーの片隅を占めていますね鮎。そろそろ終わる時期ですけど、しかしまぁあんな美味しい魚がよく居たものだと思う。はらわたまで食える数少ない魚だ。

 

 夏は鮎、秋にはサンマ。ハラワタが旨い魚の2巨頭である。方や草食なので、もう方や消化管が大変短くて内容物が残留しないので、生食が許されるらしい。まぁ詳しいことはよく知らないけど美味しいからそれでいい。

 

 閑話休題、鮎には天然と養殖とあるじゃない。多くの場合、われわれ庶民の手に入るのは養殖鮎だ。

 当家夫婦の郷里は岐阜なのだけれど、岐阜に暮らしているからといって特段天然鮎へのアクセスがしやすいなんてことはない。長良川とかなんとかで上がった天然鮎はしかるべき手段で然るべき料亭や料理屋に流れていく。

 川魚を食う文化というのは岐阜にはたしかにあって、ちょっと気の利いた料理屋さんへいったり、あるいはご家庭での晩飯の選択肢として鮎というチョイスが浮上する機会は、おそらく関東や近畿一般の方よりは多かったのではないか、とは思うのだけれども、とはいえ所詮は庶民の家の話であるからして口に入るのは当然安価な養殖鮎であった。

 

 しかし養殖鮎は、果たしてほんとに美味しくないのか。天然の一人勝ちなのか。

 そういうもんなんじゃないの? 価格差が厳然としてあるんだし。ーーと、なんとなくそう思っていたのだが、しかし先日、養殖鮎も生産者の努力によって、今めっちゃうまいんだぞっていう事がわかったので、この記事を書いている。前置きが大分長いけどそれだけ思い入れのある食材なのだ。ご勘弁ください。

 

 さて本題に入っていくのだけれど、去年「すだち鮎」なるものに出会った。

 鮎養殖といえば和歌山がメッカであるらしいのだけれど、こいつは徳島産、名前のとおりすだち果汁配合の餌を食って育った養殖鮎だ。

 

s-iwasaki.com

 生産者さんは、ある時「なんで俺、天然鮎と張り合ってんの」「養殖鮎ならではの良さってものがあるでしょう」と天啓を得、最強の養殖鮎づくりをはじめたらしい。そして徳島ならではの地の利を得、この世に生まれいでたのがすだち鮎である。

 

 ーーなどと書くと仰々しいが、なんのことはない、当家では普通にスーパーで買った。いつもあるわけではないにせよ、うまくタイミングが噛み合えばスーパーに並ぶくらいには販路があって、ポピュラーなブランドであるらしい。

 しかしこれが、その入手のお手軽さとは裏腹にすごいんですよ。

 

 当家がびっくりしたのはまず見てくれである。毎年恒例の鉄腕DASHで学んだことだが、うまい鮎には「追星」という模様ができる。体側の黄色い斑点だ。これがあるやつは大きく育っておりうまいという。大変良く育ったやつには追星の追星すらあるとかなんとか。

 これはとっても環境のよいところで育った鮎にしかないもので、大半の養殖鮎には追星がない。ちょーっとこいつ体側黄色いか? くらいが関の山だ。

 しかし「すだち鮎」は多くが追星を持っている。この時点でもう丁寧に上手に育てられたことが伺い知れる(などといきり立っていますが門外漢です)。

 

 見てくれにびっくりしたらば、次には嗅覚で驚く番だ。鮎は香魚との異名も保つが、しかし養殖鮎の多くはそんなにいい匂いはしない。しかし「すだち鮎」はものすごく青い、ウリ科の香りが強いのだ。鼻から入ってくる情報は完全にキュウリやシロウリのそれである。でも持ってる手からは川魚のぬとぬと感がする。何触ってんだかちょっとわからなくなるぞ。くまはなったぞ。

 

 さて、見て嗅いでびっくりしたら、あとは塩振って焼こう。当家の魚焼きグリルはこわれているので、苦渋の決断ながらフライパンで焼いた。そうしたらば、えらいことになった。

 串焼きの魚から、脂がジブジブと煮え立って垂れ落ちる絵面、よく見るでしょう。シズル感たっぷりでそそりますよね。

 あの脂がものすごく出、フライパンで焼いているので当然鍋底に貯まる、結果、なんかもう焼いてんだか油煮にしてんだかわからないくらいの騒ぎになるのだ。この時ほど、当家にまともな魚焼きグリル、贅沢をいうなら七輪があればと思ったことはない。

 

 で、なんかかんかあって鮎が焼けたとする。そうしたらあなた、あとは食べるだけですよ。焼いてなお香るウリ科の青い香りとか、一段深いコクと苦味のワタの味とか、もうね、たまらんです。記憶だけで呑めそうなくらい。

s-iwasaki.com

 

 今年、まだ間に合うかな。以前問い合わせたときには、メールをくれたら個人通販やるよ的なお返事を頂いた気がしますので、気になる方は問い合わせてみてくださいね。

 鮎の話、おわり!

 

夏、ひやしおでん。

 当家としては、夏はおでんの時期であると信じる。

 ーー「正気かお前」という顔をされた気がするな。

 もうちょっと前後関係をお聞き願いたい。

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 夏は、「ひやしおでん」の時期だと信じる。「冷やす」。「冷やす」ことが大切です。これは何度でも主張していきたい。

 とはいえ、おでん作ってタッパーに分けて冷蔵庫にドーンで美味しい冷やしおでんができるなら苦労はない。ていうかまずおでんの主役である大根からして時期じゃないんですよね。

 あと、大根という食材は素直そうな見た目に反してすっごいじゃじゃ馬だと僕は思っていて、コンビニおでんみたいに癖なくキレイに煮るのが難しいのだ。なんか苦くなったり、白く濁って煮えたりする。「良くない大根味」でおでん鍋全体がやられることもある。きっと当家が料理下手なだけではないと思う。

 ですからこのへんを、当家ではぜんぶ冬瓜を主軸にした夏野菜に置き換えてしまいます。

 

 というわけでメイン具材は以下の通り。

・冬瓜

・トマト

・夏向きの練り物

・緑の野菜(オクラとかシシトウとか)

 


 

 

 あとはおでんの汁だけれども、今回は酒と出汁醤油でやりました。前回掲載したカマダのやつね。

 甘さを控えめで作らないと、練り物の糖分が出て甘ったるくなりますのでご注意を。

 

 冬瓜は皮をむいて下茹で、トマトは湯剥きして食べやすいサイズに。ミニトマトでも可。オクラだったら板摺りして下茹で。シシトウだったらヘタとって焼く。万願寺とかでも同様ですね。このあたりは「野菜室掃除のためにやる」くらいでいいと思います。ナスが冷蔵庫にわさわさあるんだったら、素揚げにして追加してやっても美味しいと思うし。パプリカとかでも凄く良いと思うんだよね。そのへんはお好みで。

 

 あとは冬瓜と練り物をあわせてひと煮立ちさせて、タッパーにうつし、他の野菜類を盛り合わせて一晩くらい冷やしておく。この間に煮込んでいない野菜類にも味がうつるという寸法だ。

 

 本当にこだわるならば「炊合せ」ではないけれども、メイン鍋とは別に味濃いめ、塩強めの「野菜専用タッパー」を作って、野菜類はそっちで別漬けして盛り合わせる。これは練り物のたぐいが美味しく煮えるために必要な塩分量と、野菜を美味しく食べるのに必要な塩分量が違うから。野菜に合わせるとおでん全体が塩っ辛くなりすぎる。練り物にあわせると今度は味が少々薄い。

 とはいえこのへんは手間もかかるし、好みもあるしで、必須の工程とは考えていない。お好みでどうぞ。

 

 で、だ。

 こうやって冬瓜やトマトをぶっこんで作った冷やしおでんのいいとこはなにか、セールスポイントはなにか、っていう話なんですが、やっぱり「大根の相手をしなくていいところ」だと思うんですよ。そこどんだけ推すんだ

 ぶり大根とかもつ煮みたいに、濃ゆい味付けでこっくり煮てしまえる調理法ならばそんなに苦労はない。大根が何味だろうが、醤油とかみそとか砂糖とかの物量に飲み込まれてしまう。しかし薄めの味で淡く味をつける(当家のイメージです)おでんの場合、強い味付けで大根の棘を塗りつぶすことができない。

 

 このポイントを技術で乗り越えるのは、可能だと思う。

 でも素人にはできないと思った。そこで潔く諦めた。そもそも大根の時期じゃないし。

 結局、大根を使わなきゃ良いんじゃないかと。そもそも時期じゃないしと。そういうわけで冬瓜の抜擢である。実際、漢方ではウリ科の植物は食べると身体を冷やすと言うらしいし、大根を無理くり使うよりも夏向きだと思うんですよねぇ。

 

 難しい作業は本当に何もありません。でっかい冬瓜をスーパーから持ち帰ってくるのがこのメニューでいちばんめんどくさい要素だとすら思う。それを皮剥いて下茹でするのがいちばんだるい。あと時点でトマトの湯むき。

 それらさえ済んだら、ちょっと煮てタッパーに流し込んであとは冷蔵庫に一晩任しとくだけなので、おでん自体の調理肯定としては全然イージーだと思う。

 

 夏は、冷やしおでん。夏酒といっしょにいかがですか。

 ぜひお試しください。

ピカールのパン食べ比べ

 ピカールといえばクロワッサンである。

 それはわりあい、人口に膾炙した事実であるらしい。「ピカール」「おすすめ」などでググってやると、まぁ十中八九は『クロワッサン』と出てくる。お店の方でもクロワッサンはプッシュされており、ピカール利用者のかなりの割合にのぼる人がクロワッサンを購入しているであろうことは想像に難くない。

 

 しかし今回、当家的にはクロワッサン超えの新たなアイテムを掘り当てた。たぬきが友人のサジェストをうけて買ってきた、パン・オ・ショコラである。ほらパイ生地にチョコレート包んで焼いたやつね。

 

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 今回のエントリでは、この2つがうまかったよという話をしていきたい。

 

◎クロワッサンがお家で焼ける衝撃

 クロワッサンは多くの人にとって買って食うもんだと思う。休日だからクロワッサンを焼きましたなどというのは、田園調布のセレブかなと思う。しかしピカールの主力商品(と勝手に認定)クロワッサンは、そんなセレブムーヴを可能にする画期的商品だ。

 

 商品は、「あとは焼くだけ」。おなじみのクロワッサンの焼成前の状態で冷凍されている。8個だか10個だか、とりあえず偶数個入っているので、二人暮らし家庭である当家では取り分で揉めることはない。

 

 180度に予熱したオーブンで30分焼いて、休ませること10分でサクサクのクロワッサンだ。なんにも特別なことはない、お家のオーブンで焼き放題である。

 焼成前の倍くらいのサイズに膨らむので、相当の余裕をもって天板に並べてやらないとえらいことになるぞ。

 

 サクサクでアチアチのクロワッサンを食べたことがありますかあなた。外サクサク、中もちもちで柔らかくて、たいへんいいものですよあれは。それが30分ちょっとあれば自宅で量産できるというのはたいへんなことです。おすすめ。

 

◎思ったよりチョコチョコしいパン・オ・ショコラ

 今回の伏兵がこいつだ。

 パン・オ・ショコラなどというシャレオツな名前をしているが、要するにクロワッサンの記事にチョコ巻いたやつである。見た目にもゴツゴツとチョコチップが突き出した「生のパン」の状態で冷凍してあるので、クロワッサンと同じように180度に予熱したオーブンで焼く。こいつの焼き時間は22分でクロワッサンより8分短い。

 クロワッサンもパン・オ・ショコラも同時に食べたいという場合には、時間差をつけてオーブンに入れないと焦げる。

 

 さておき、こいつを焼くとどうなるかというと、まぁ前提として膨らむので離しておいてください。そしてチョコはちょっと焼けて垂れる。

 「ふぅん」である。感動は、特になく見えた。

 ただこいつ、割ってやると中にチョコを隠し持っているのだ。チョコパンにチョコチップのトゲトゲがついている感じだ。

 そりゃあパン・オ・ショコラなんだからチョコレートが巻き込まれているに決まっているのだが、食べてみると結構チョコ感がつよくて良い。

 

 焼立てで温かいこともあり、「まぁチョコ味には違いないな」程度のヌルいチョコ感ではなくて、「チョコ沢山入れときましたから!」みたいな強い自己主張のあるチョコレート感をきちんと感じる。

 

 クロワッサンが家で焼ける、と言うだけならまだしも、パン・オ・ショコラが家で焼けるとなるともう、お前んちパン屋かよっていう感じですよね。

 まだ暖かいパン・オ・ショコラと冷えたアイスコーヒー。この時期の朝に、あるいはブランチに、最適じゃないですか?

 甘いのが嫌だとかアレルギーがあるとかでなければ、パン・オ・ショコラの購入は大いにおすすめできる。

 

 

 ーーとまぁこういった具合にて、ピカールの「クロワッサン」と「パン・オ・ショコラ」はたいそうおすすめだ。通販もあるので、興味があれば是非チェックしてみてください。

 ピカールダイマをぶっこんだところで、今回はここまで。

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そうめんバリエ:白だし梅

 夏はそうめんの時期である。

 などとデカイ主語で雑に語るとほうぼうから叱られがちな昨今、いかがお過ごしでありましょうか。

 

 先だって、昼飯にそうめんを茹でた。スーパーの催事でやってた「生そうめん」とかいう、干してない、棒状じゃないそうめんだ。40秒で茹だるらしい。 

 

 これが思いの外うまかったので知ってほしいのがひとつ。そしてなかなかイケるタレのレシピを掘り当てたので、シェアしたいのがもう一つだ。両方とも、もうご存知だったら勘弁な。

 

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 とりあえず自炊成分の強い方、タレのほうからレシピを紹介していこう。使うものは下記の通り。

 

白だし

・割り水

・梅干し

・大葉千切り

 

 以上である。材料からしてもうお気づきであろうけれども、つまりそうめんを「梅しそタレ」で啜り込んでやろう、という企画だ。

 当家では今回、市販のしそ漬け梅でやった。白干しやカツオ梅でも美味しいだろう。カリカリ梅もイマイチ麺との絡みが悪そうだけれど、食感じたいはよさそうだ。はちみつ梅は……。どうだろう、ちょっと怖いね。

 

 作り方はかんたんである。そば猪口的なやつに全部入れて混ぜれば良い。割り水は好みの塩加減になるまで加えてくださいね。白だしの濃縮度合いによって分量変わるので、いい感じにやってくれとだけ述べておく。

 

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こだわって作るなら梅干しは種を除いて包丁でたたきペースト状にすると滑らかでよさそうだけれど、なんならちょっとずつかじって口内調味をすれば良いのではと思う。

 当ブログで全部のエントリに書いているようなきがするけど、肝要なのは「めんどいことはやらない」ことだ。やりたい人だけやってください。

 

 このレシピ(と名乗るのはおこがましいくらいの簡便さだが)で肝要なのは梅のつぶし加減と混ぜ加減だと思う。ほら塩梅っていうでしょ。

 丁寧に梅肉を作って混ぜ込み全体を良く調味された梅味にするというのは一つの手だし、むしろ梅干しを齧りながら、味にムラをつくりながら食べていくのだって変化があって面白いはずだ。そのへんは好みなので好きにやってください。

 


 

 

 そして今回使用した上掲の生そうめん。

 既存のそうめんの感じからすると違和感がある食感だ。つるつるはもちろんだがひやむぎかと思うほど太く、腰がたいへんつよい。乾燥稲庭うどんと冷凍さぬきうどんの違いをスケールダウンさせたような感じである。

 

 正直に申し上げるが、そうめんはのどごしだと強く信じていて、キリキリに冷えたふやふやの麺類をつゆで流し込むようにして食べたいと、そう言うニーズには全く対応できない商品だ。

 一方で、しっかりとした小麦感、麺の存在を感じる、麺らしい麺を喰いたいというニーズには、そうめんのくせして凄く良く応えてくれる性質をもっている。当家としては大好きだったし、また見かけたら買うことは間違いない。

 

 もちろん、ふつうのそうめんやめんつゆだって捨てたものではない。しかしほらやっぱり連食すると飽きるじゃないですか。ちょっと変わり種がほしいときには、ぜひ今回の、生そうめんや梅味のタレを使って、雰囲気を替えていただきたいと思う。

 

 部屋が暑いのでこれでおわり! 32度あるよ屋外かな。

 寝室に逃げ込むぜー。

ローストビーフは自宅で焼ける

 ローストビーフと聞くと、根がいなかっぺなのでむやみにテンションが上がる。

 まごうかたなき「ハレの日の食いもん」であるローストビーフ。しかしあまりに「ハレの日」感が強くって、「あー今日の気分はローストビーフだなー」ってことはあんまりない。

 

 しかしここで発想を変えて欲しい。

 ハンバーグを作るよりもむしろ楽なくらいの手間感で、自宅でローストビーフができるとしたらどうだろうか。

 

 もちろんこれにあたっては、それなりの分量のうしのかたまりが必要であるので、お気軽に「今日はローストビーフ!」などと言い出すのはお財布的にもおすすめはしない。

 しかし「できないからやらない」のと「できるけどやらない」のは別の話だ。

 今回のエントリを通して、皆さんの食卓に「ローストビーフ」という選択肢がアンロックされて、「良いことあったし今日はローストビーフ焼いちゃうぞう」みたいなことができるようになれば大変幸いだ。


 

 

 先入観をもって考えるならば、ローストビーフには、それはそれはでっかい牛の塊と、よいオーブンが必要だ。こいつに下味をつけ、炙り焼きにし、そぎ切りにして食うわけである。

 ちょっとデパ地下の良い肉屋へいくと「ローストビーフ用」などと銘打った肉塊がそれはそれはいい値段で売っている。ただこのエントリで詳解するレシピでは、ああいう肩肘張った、財布にクリティカルヒットな肉の出番はないので、あいつらのことは忘れてください。

 

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(こんなお高くなくたって大丈夫!)

 

 

 使いますのはなんでもないスーパーのブロック牛肉。肩ロースとかランプとかが、まぁまぁお手頃な値段で売っていると思う。売ってるよね?

 目安としてはこいつの300グラム以上500グラム以下くらいの塊を、たべたいだけの個数用意してほしい。うちはいつも二塊食べたいけど財布と冷蔵庫の順番待ちの都合から一塊で我慢しています。

 

 さて、レシピの紹介のほうは、既存のレシピサイトに譲る。

 

https://www.lettuceclub.net/recipe/dish/22464/

 

 みんなご存知、料理研究家コウケンテツさんのフライパンローストビーフレシピです。肉を焼く術は全面的に上掲レシピに準拠しています当家。みんな、まずは上掲「レタスクラブ」さんをチェックしてほしい。それで肉を焼くところだけ3,4回読んで欲しい。これは下ごしらえに含む(暴論

 

 さて、このレシピのなにがいいのか、というともう話は単純で

「フライパン一枚でローストビーフが焼ける」ことだ。

 オーブン。お帰りください。

 塊肉。そこそこのやつでけっこうですよ。

 

 食えねぇほど硬いわけじゃない肉の塊。あとフライパン。あと塩コショウ。あればタイマー。

 用意しなくてはならないのはそれだけだ。あとローストビーフソースについては、うちはめんどくさいのでモランボンとかキッコーマンのを買っている。

 

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 ワインとか醤油とかバターとか、あと肉を焼いた脂とか。そのへんを使って頑張りたい方には頑張っていただけば良いし上掲ブログでもそのように書いてあったと思うけれど、そこは一番、メシを作る側にとって負担のないようにしたら良いと思っている。

 

 工程全体として、肉の塊を室温に戻すのに1時間、焼き付けるのに15分弱、寝かせるのに1時間。時間はそこそこかかる。しかし15分弱の焼成さえ除けばあとは放っておくの工程だけなので、その間副菜とか野菜献立とか作っていれば良い。

 

 何度だって繰り返すが、上掲コウケンテツさんのレシピはお家で肉を焼く行為に革命が起きるくらいすごいので、ぜひみんなよんで実践してほしい。良いことがあった晩、お祝い事の晩におうちローストビーフ、どうですか。

 

 今回のエントリは、絶品レシピの開帳とか独創的な調理の提案とかではなくて、単なる既存レシピのキュレーションだ。正直に言うが新規性はぜんぜんない。

 ただこのブログは単純に、うちが作ってうまかったものをみんなに紹介する、そんなうまかったキュレーションブログ的な感じでやっていく。

 

 お料理ブログも隆盛を極め、クックパッドに代表される素人さんのお料理投稿サイトもたくさんある昨今、ちまたにはレシピが飽和していると思う。そのなかで実践してみてよかったやつを、せめて知り合いだけにでもシェアしたいというのが本ブログの本懐だ。

 

 飽きるか、ネタがなんにも無くなるまでは、今後も更新続けますので、よろしくお付き合いくださいな。

カマダの醤油もっと流行れ

 めちゃくちゃ特定醤油メーカーのダイレクトマーケティングをしますが、カマダさんからは1円ももらっていないことを予め申し上げておきます。

 

 さて、当家には2種類の醤油がある。

 まず醤油。どうってことない普通の醤油だ。ヤマサの酸化しにくいパックのやつ。

 


 

 

 つぎに だし醤油。醤油に出汁を加えたやつね。おそらく多くの方はご存知ないであろう、カマダっていう会社のやつである。


 

corp.kamada.co.jp

 

 

 

 このカマダの醤油がたいへんにうまいのだぞ、という話を今回はしていきたい。ぜひ買ってください本当美味しいから。

 

 誰しも「ご家庭の味」があると思う。「このメーカーの醤油じゃなきゃ」「味噌汁は赤味噌じゃなきゃ」的なやつである。

 当家の、特にくまの場合、「醤油はカマダのだし醤油じゃなきゃ」なのである。

 なお、たぬきはカマダのだし醤油には全く執着がなく、むしろ強硬な「創味のつゆ」派であるので、先程からくまの方を冷ややかな目で見てくる。

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きみはいいからブログに載っける絵を描きなさい。ストックがつっかえてるんだから。

 

 カマダのだし醤油のすごいところは、まぁ勿論そのまま舐めてもうまいのだが、だし味が濃くて「薄めたら直ちに煮汁つけ汁に変身できる」というポイントだ。実家では、天ぷらのツユは薄めただし醤油であった。その調理工程を幼い日のくまはかけらも知らず、「テンプラノツユ」というひとつの料理が拵えられているのだと思っていた。しかしなんのことはない、薄めたカマダの出汁醤油であった。


 

 醤油を水でのばすだけではこうはならない。豊富に投入された出汁原料があっての味であろう。カマダの出汁醤油は良い調味料である。

 

 いや、伸ばせば煮汁つけ汁になるって、それは「めんつゆ」じゃないか。

 そういったご指摘はわかる。全くそのとおりだ。

 しかし当家のーーとくにくまの舌には、めんつゆは甘いのである。甘っ辛く煮たいときにはめんつゆの出番だが、醤油味で煮たいときにはだし醤油なのだ、くま的には。カマダの出汁醤油は「甘くなくてめんつゆ的に使える」という点でユニークであり、関東で売っているめんつゆの類では替えが効かないのである。

 

 もちろん百貨店や個人店をはじめ津々浦々を探せばよりよい醤油に巡り会えるのかもしれないが、ただでさえゲームばっかりやってるくまとはいえ、あてどのない醤油探訪の旅に出るほどはヒマではないので、それは無理な話だ。

 次善の策として、新しいスーパーを開拓するたびに醤油売り場をチェックして、白地にオレンジの目に馴染んだパッケージはないのか、と探しているのだが、学生時代の下宿近くにあったコモディイイダでしか見たことがない。いまの住まい近くにはカマダのだし醤油はおいていないのだ。創味のつゆはあるのに。許されない。

 

 いくらか話が脇へ逸れたけれども、読者各位におかれては、ぜひ「カマダの出汁醤油」をお試しいただきたい。また姉妹品に「だしぽん酢」「サラダ醤油」などがあってこれらもおすすめだ。


 

 ぜひ巷に普及し、あらゆるスーパーで普通に買えるようになってくれろと願ってやまない。

 

 普段のエントリと比べてマーケティング感が強すぎる気もするけど、今回はここまで。

 いやほんとに1円ももらってないし、純粋にくまがカマダを愛しているのです。

ピカールという新概念の爆誕

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nlab.itmedia.co.jp

 

 ピカールのクロワッサン、というものがあるらしい。

 

 上掲のエントリでソレを知ったたぬきは、たいへん浮かれ騒いだ。

なにそれすてき! と舞い上がったが、しかし程なく盛り下がって外界に降りてきた。

 

 

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 だいたいその手のモンは、キラキラした都心エリアにあるに決まっている。

 ましておフランスの冷凍食品なんてもの、あって青山か表参道だろ(先入観

 ステイホームが叫ばれる今日このごろ、わざわざ都心まで出ていくのもばかばかしいし、通販も嫌だ。運賃のぶんなにか別のうまいものが買いてぇ。などと考えていたらしい。

 

 しかし、物事は調べてみなくてはならない。

 ピカールの店舗情報をチェックしたところ、思い立ったら行けるくらいの範囲内に店舗があるじゃん。

 

 シャレオツでキラキラなおフランス食品。くいしんぼとしては見逃せませぬなぁ!

 もちろん「安いお店」ではないけれど、しかし決して某成城石井のごとき高級店ではないのだ。

 

 まぁそんな調査結果を見せられプレゼンされたくまであるが、まぁ当然乗り気ではなかった。シャレオツなのはいいけどさ、冷食? 味の素とニチレイでいいじゃん。冷凍ご飯とかおいしいじゃん。

 そも、冷凍食品を買いに行くならスーパーでいいじゃん。わざわざ遠くまででかけていかなくてもさぁ…。と思うのは、べつにくまに限った話ではあるまい。

 

 腰が重いくまのケツをたぬきは「おまえもついてくるんだよ!」と蹴り飛ばし、われわれ夫婦は一路、最寄りのピカールへ向かうのであった。

 

 見たところ、思ったよりこじんまりしていた。めくるめく食のワンダーランドがあるとは伺いしれない、こじんまりシンプルな具合である。ただただ冷凍ケースがずらりと並んでいるのみだ。

 おフランスらしいキラ☆ピカ感は、やたら白っぽい清潔な内装くらいからしか臭ってこない。

 

 しかし店内でPOPを見るとあなた、底にあったのはめくるめく食いしん坊の聖地ですよ。冷凍食品といっても全部が全部レンチンでは当然ない、自然解凍やオーブン加熱もある。パスタやピザのたぐいからパイ類、ラタトゥイユなど野菜惣菜、サーモンのタルタルなど海鮮系、フォアグラなどお肉の類などなど、目を引くものがいろいろある。

 

 あれもこれも美味しそうだ! しかもキラキラだ!

 ニチレイや味の素とはわけが違うぜ!

※ くまは味の素の餃子を愛していますし、ニチレイの冷凍五目炒飯を切らした事はありません。

 

 だってしょうがないじゃん、4種のチーズ入りひとくちパイとか、冷凍ポタージュとか、ムール貝ファルシとか、スーパーに売ってないんだもん。

 

 というわけで、われわれ夫婦は高価なトランペットをショーケース越しに見つめる少年のようになって、まったく打線が組めないでしばらく過ごした。

 どれもこれもいちいちうまそうだったので、本当に、どれを買っていって今夜の肴にするのか、という可能性の無限の広がりのまえに立ちすくんでしまったのだ。

 

 しかし何時までも少年ではいられない(謎

 店員さんのこちらを見る目も厳しくなってきた(気がした。

 

 とりあえず適当にあれこれとかごに突っ込んで帰ってきた。そしたらとても美味しかった(第一波は既に食い尽くした)

 そう言った次第で良いお店を見つけたので、今後更新のネタに困ったときには、ピカールの「これは美味しかったぞ録」をアップしていくこととしたい。

 

 東京・神奈川にお住まいの方、ぜひ『ピカール』が近所にあるかどうか、調べてみたほうがいいですよ。